肌を見せる時期になると、念入りに脇にケアを行うかと思います。
その際に前よりも脇が黒くなってきたと感じたり、誰かに脇の黒ずみを指摘されたりして、自分の脇の黒さに気が付く方もいるでしょう。
そこで、脇が黒いともしかしてワキガのサインなのか?と不安に感じてしまう方も中にはいるかもしれません。
脇の黒さとワキガに関連性はあるのでしょうか?
目次
脇が黒い原因は?
そもそも、なぜ脇が黒くなってしまうのでしょうか?
脇は、人間の体の中でもデリケートな部分であり、日常的な刺激や間違った処理によって黒ずんでしまいます。
そこで脇が黒くなる原因やメカニズムをご紹介していきましょう。
ムダ毛処理による刺激
日常的にムダ毛の処理を行う場合、カミソリや毛抜きを使って行うという方が多いと思います。
カミソリであれば簡単にムダ毛が剃れるので、手頃なムダ毛処理として多くの方がこの方法を選んでいると思いますが、カミソリによるムダ毛処理は脇を自分で黒くしてしまう行動です。
脇の下は、他の体の部位に比べて肌が薄くてデリケートな状態であり、カミソリなどのムダ毛処理によるダメージを受けやすい部分でもあります。
皮膚はダメージなどの刺激を受けると守ろうとして防御体制を取ります。
この肌の防除体制によって、皮膚はメラニン色素を生成していき、皮膚を厚くして守ろうとします。
本来であれば、肌サイクルは28日周期を目安に新しい肌へと生まれ変わっていきますが、メラニンを含んだ皮膚はこの周期よりもターンオーバーに時間がかかり、いつまでも肌に黒ずみが残ったままになりやすいです。
またカミソリで剃れなかったムダ毛を毛抜きで処理しようとしても、同じように脇の下にダメージを与えてしまいます。
特にカミソリで剃れない毛は、埋没毛であることが多くなります。
衣類などの摩擦や刺激
締め付けのきつい下着や擦れやすい服を着用すると、これらの刺激によって脇の下の皮膚が擦れてしまい、刺激を与える恐れがあります。
矯正下着などもこのような状態になりやすく、摩擦が起こった個所はどんどん肌の防御反応により、黒くなっていきます。
肌に優しい綿で少しゆとりのある服装にすると、脇の黒い部分を減らせるでしょう。
毛穴の詰まり
汗のかきやすい脇の下は、毎日きれいに洗っていても皮脂や汚れによって毛穴が詰まりやすくなります。
毛穴に古い皮脂や汚れがついたままになれば、毛穴に詰まった皮脂が酸化していき、毛穴がポツポツと黒い状態になっていきます。
これが脇の下全体に広がれば、脇が黒いように見えてしまいます。
しかし、無理に毛穴の汚れを取ろうと爪で押し出したり、プッシャーなどを使ったりするとさらに毛穴が開いて悪化する可能性があります。
ホルモンバランス
脇の黒さに悩んでいても思い当たる原因が見当たらないという場合、もしかしたらホルモンバランスが関係しているかもしれません。
妊娠や出産によって女性はホルモンバランスが崩れてしまい、これによって脇のメラニンが活性化してしまう可能性があります。
この場合は一時的なものであるため、時期が訪れれば解消できると考えましょう。
乾燥
皮脂の多い部分なのに乾燥するの?と思う方もいると思いますが、脇の下は汗を多くかくため、汗が蒸発する際に水分も奪われてしまいます。
このメカニズムによって、汗をかいても肌が乾燥している状態となり、徐々に黒くなってしまう場合があります。
ムダ毛処理の後は、きちんと脇の下を保湿してケアを怠らないようにしましょう。
保湿を高めることで肌本来持っている力を発揮できます。
ワキガの人は脇の下が黒い?
脇が黒くなる原因やこのメカニズムに関して説明してきましたが、ワキガの人も脇が黒くなるのでしょうか?
直接脇の黒さとワキガの関連性はないと言われていますが、可能性があるとすれば制汗スプレーの使い過ぎや間違ったケアによって黒くなる場合があるでしょう。
このような制汗スプレーを頻繁に使用すると、脇の毛穴詰まりを引き起こしやすくなり、これによって毛穴に皮脂が詰まり、それが酸化して黒く見えることがあります。
また、脇汗を抑えるために汗とりパッドを使用したことにより、脇に摩擦が起こって脇の下が黒ずむこともあります。
他にも臭いを気にしすぎて脇の下を擦るように洗ってしまうと、脇の下に刺激に与えることになるため、結果的に脇の下が黒くなります。
ワキガだから脇が黒いということではなく、ワキガ対策として行ってきた行動が結果的に脇を黒くしてしまうことにつながったと解釈すると良いでしょう。
ワキガのメカニズム
汗はエクリン汗腺、アポクリン汗腺、皮脂によって構成され、ワキガと呼ばれるのはアポクリン汗腺が関係してきます。
エクリン汗腺は一般的な汗であり、人間の体全身に分布しています。
ここから出る汗は99%が水分であり、その他の1%には尿素やアンモニア、塩分などが含まれています。
この汗そのものはサラサラしていて、無色で臭いを感じないのが特徴です。
一方のアポクリン汗腺は、エクリン汗腺よりも大きい汗腺でその出口が毛穴につながっています。
脇やへそ周り、耳の穴や肛門など体の一部に分布していて、そこから排出される汗には脂肪やタンパク質、アンモニアや鉄分などが含まれていて、少し粘り気があるのが特徴です。
このアポクリン汗腺から出た汗がコリネバクテリウムという常在菌や雑菌によって分解されることで臭いが強くなり、独特の臭いを広げてしまいます。
肌を守るために必要な常在菌は脇の下にもいるため、どうしても独特の臭いを排除することはできないでしょう。
このようなワキガのメカニズムからも分かるように、ワキガに脇を黒くする能力はなく、ワキガはアポクリン汗腺から分泌される汗と常在菌によって起こるものとなります。
脇の黒さとワキガの関係はないと言えるでしょう。
脇の下の黒ずみ解消法は?
脇の下の黒ずみは、ワキガと関連性はないもののケア方法によっては誰でも脇が黒くなる可能性があります。
脇の黒ずみを解消するなら、これらのことに気を付けてみましょう。
食事に気を付ける
皮膚が厚くなると正常なターンオーバーができず、黒い部分が蓄積されてしまいます。
そのため、正常なターンオーバーが出来るように食事に気を付けてみましょう。
ビタミンEは新陳代謝を高めて血行促進効果があります。
これによって新陳代謝アップが期待できるので、アーモンドや魚介類、たらこなどを摂取してみましょう。
また、ビタミンCにはメラニン色素抑制効果が高いので、いちごやブロッコリーなどを積極的に取り入れましょう。
刺激を与えない
ムダ毛処理などの方法を改めて、できるだけ刺激を与えないようにしましょう。
カミソリを使用する際は、肌に負担がかからないようにクリームやフォームを使用し、処理後は保湿をきちんと行いましょう。
脱毛サロンなどでプロに任せても良いでしょう。
専用のケア商品を使用する
脇の下の黒ずみ解消専用クリームなど、専門的な商品を活用するときれいに黒ずみを解消できるでしょう。
これらのクリームには美容成分や保湿成分が含まれているため、脇の下の黒ずみに特化した商品となります。
脇が黒い=ワキガということではありませんが、脇の下への過剰な刺激によって黒くなる可能性があります。
正しいメカニズムを知り、脇の下の黒ずみを解消しましょう。